第14章 マーフィスの無双
朝食を作っていると、三人が起きて来た。マーフィスは、朝から私に纏わりついている。申し訳無さそうな朝の挨拶の言葉を聞いて、こっちが申し訳なくなった。
今朝の献立は、【トリニク(下)】を使ったピカタ。ソースはケチャップ。それを野菜と挟んでバーガーにした。後は、根菜のスープ。
バンズはたくさん焼いてある。でも、面白い様に減って行く。皆がハムスターの様に口の中に入れて大変なことになっていた。マーフィスは通常行動だけど、食べるのは早い。
後片付けは皆が手伝ってくれて、早々に洞窟へと向かった。誰よりも、マーフィスが意気揚々としている。
今日も一層から、皆で殲滅。三層では、魔物が入れない安全ゾーンがあり、そこでコロッケパンを皆で食べた。他の冒険者たちが羨ましそうにこちらを見ていたけれど、マーフィスが一睨みすれば大人しくなった。
昨日、食堂で三人のことを笑いものにしていた冒険者たちだ。私も意地が悪いと言われるだろうが、そういう人に振舞いたいとは思わない。そして、三人はハムスターになっていた。
初めての四層。今度は、茶色のブタが現れた。今度は、【ブタニク(中)】が出た。これも使い勝手がいいので、頑張って殴っておいた。
そして五層。いきなり現れたのは、オレンジ色のウシ。目が痛くなる程の鮮やかな色である。サイズは子牛より一回り大きいくらい。奥へと進めば、オレンジから真っ白へと変化。真っ白なので、少し目が痛い。
「ミア、俺は少し隣りの部屋に行って来る。ここに、隠し扉があるんだ。ミアには危険だから、ここで待っててくれ。お前たちも、死ぬ気でミアを守れ。いいな?俺は直ぐに戻るから。」
止める間もなく、マーフィスは隠し扉を開けては中に入っていった。直ぐ戻ると言ったマーフィス。言葉通りに、五分ほどで戻って来た。
「マーフィス、怪我とかない?」
「あぁ、問題ない。想像通りに大量の魔物が沸く部屋だったから、一網打尽にして来た。」
「えっ?今、何って・・・。」
「ミア、俺は油断もしないしここは初心者が訪れる場所だ。そんなに心配するな。気持ちは嬉しいけどな。さ、次に行くぞ。ボス戦は、壁側で大人しくしてればいいからな。」
そう、大人しく・・・そう言われてた。そして、ボスは金色のニワトリ・ブタ・ウシがいた。ボスだけあって、サイズは大きい。