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特級錬金術師の旦那様

第13章 冒険者の町


三人に、ギルマスはどんなものだったのか聞いている。ギルマスも食べたかったのだろうか?美味しいものね、ミルクパン。

「甘いものは神だ・・・。」

ん?今のは、ギルマスの独り言?そして、私の魔法鞄を凝視している。やっぱり、食べたいのだろうか?

しかし、その時にマーフィスが戻って来た。どうやら、機嫌は直ったらしい。そして、さっきまでの偉そうな態度の貴族は小動物の様に震えていた。顔色なんて無いに等しい。

「マーフィス、大丈夫?」
「あぁ、問題ない。ほら、言えよ。」

貴族に何かを促したマーフィス。

「て、天女の様に美しく愛らしくもあるミア様には、大変失礼な事を致しました。」
「えっ?」
「おい・・・。」

マーフィスが低い声を出すと、震えあがったゲジアーン子爵。一体、これはどういうことになっているのだろう?

「天女、嫌、女神様の様に麗しく美の象徴でも有らせられるミア様に大変失礼な事をしてしまい本当に申し訳ございませんでした。」

私の足元で、平伏しているゲジアーン子爵。マーフィスが怒ってた理由って、まさか・・・。

「ミア、未だ許せないか?だったら、もっとっ。」
「マーフィス?」
「何だ。」
「私はマーフィスにさえ、可愛いって言って貰えるだけでいいのだけど?その他大勢に言われても興味ないもの。」
「そうか。もういいぞ、ゲジアーン子爵。ミアの寛大な心に感謝しろよ?次にこんなことがあれば、瞬殺だからな?」
「申し訳ございませんでしたっ!!!」

あ、叫びながら逃げてった。

「あいつ、逃げやがった。」
「もういいわよ。それより、どうなったの?」
「ん?あいつ、ミアのこと悪くないって言っただろ?それは間違った解釈だから、分からせてやっていただけだ。」

誰もが温い目を私に向けている。居たたまれない。

「後、ついでに領地に引っ込めと言っておいた。」

ついでなのか。それに、貴族相手に領地に引っ込めって・・・。でも、もうこの町には来ないと言うことだ。

「マーフィス、世話になった。」
「ついでだ、ついで。十分お仕置きしておいたから、あのまま領地に引っ込むだろ。で、ギルマス。何で、ミアの腰を見ていたんだ?」

ヒョオオオオと、冷たい風が吹いた・・・気がした。

「あ、誤解するなよ?こいつらにミアがミルクパンって言うものを食べさせていたから気になっただけだ。」
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