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特級錬金術師の旦那様

第13章 冒険者の町


「ミルクパン?でも、ミアの腰を見ていい理由にはならないだろ。お前たちもそう思うよなぁ?」

三人に同意を求めているマーフィス。三人は、何回も頷いている。ちょっと可哀想。

「もうっ、マーフィス。そんな風に絡まないの。」
「ミアがそう言うなら。」
「マーフィス、嫁の尻に敷かれてんのか。」
「敷いてくれる相手すらいないからって羨むなよ。見苦しい。」

辛辣なマーフィス。ちょっと、ギルマスも可哀想。

「マーフィス、ダメよ?」
「分かった。」
「マーフィス、この町にはどれくらいいるの?」
「う~ん、そうだなぁ。二三日くらいか。肉類の補充しておきたいし。ミアはどうする?留守番でもいいぞ?」
「ヤダ。一緒に行く。マーフィスが守ってくれるんだよね?」
「あぁ、勿論だ。それと、お前らも一緒に来い。」

絶望した三人の顔。マーフィスをすっかり怖がっている。でも、続く言葉で号泣した三人。

「同じ新人の女の子が連れられて行きそうなのを、お前たちは庇ったんだろ?今日はウチに泊めてやるし、食事はいいもの食べさせてやる。だから、次も同じことがあったら怯むなよ?ただ、無茶はするな。いいな?」

初めての来客だ。マーフィスは食事はいいものと言ったから、何か美味しいものを考えよう。そう思っていたのに・・・。

マーフィスは帰るなり、焼きそばが食べたいと言った。仕方なく焼きそばにしたのだけど、それを食べた三人が咽び泣く姿を見て何とも言えない気分になった私。

美味しい、美味しいと家の中で木霊が聞こえるかの様に連呼されている。前世では中学生だものね。お洒落なものより、こういったものの方が喜んで貰えるのかもしれない。

でも、私は折角手に入れた【トリニク(中)】を使って、唐揚げを作った。要は、私が食べたかった。先ず、味見として一齧りして今度は私が咽び泣きそうになった。

もう一齧り・・・は、マーフィスがした。箸から唐揚げが消えた。直ぐ傍でモグモグしているマーフィス。

「ごめん、ミア。ミアはこの料理を作ろうとしてくれてたんだな。それを俺は焼きそばがいいなんて・・・嫌、確かにアレも美味しいんだけど。お願いだ、もう一個食べたい。明日、俺凄く頑張るから。だから、お願い。」

仕方ないので、もう少しだけ揚げて二人で試食を続けたのだった。


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