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特級錬金術師の旦那様

第12章 激怒させた男爵家


そして、そのご一行の後方には冒険ギルドの受付嬢も同伴していた。昨日、卒倒したのに元気になったのね。

「妹に何をしたっ!!まさか、私の婚約を妬んで腹いせに私の妹に危害を加えようとしたのか?」
「どうでもいい。」
「何だとっ!!?」
「どうでもいいと言ったんだ。お前が誰と婚約しようが結婚して子を成そうが。俺にはどうでもいいことだ。それに、この女は俺の嫁に危害を加え様とした。絶対に許さん。」

マーフィスが激おこ(二回目)。

「俺たちは貴族だぞ。その俺たちにこんな事をしていいと思っているのか!!」
「ならば、いいかどうか判断して貰おうか。この国の司法機関にでも。特級錬金術師の俺の家族に危害を加え様とした結果、国がどうなるか楽しみだな?」

マーフィスが何かを呟くと、鳥の形をした式神っぽいものが何処かに飛んで行った。

「この状況をこの国の司法に報告する文を送った。直に招集されるだろうから、首を洗って待ってろ。」
「なっ!?そ、そんなっ・・・。」
「それともう一つ。お前・・・ミアを手に入れようと画策してたよな。簀巻きにして山奥に埋められなかっただけ、有難く思え。司法の結果の方が、まだ幸福だろうからな。お前も生きたまま魔物に食われるなんて嫌だろう?」

あ、令嬢もギルドの受付嬢もあまりにもの怖さに卒倒してしまった。私は不思議と、マーフィスを怖いとは思わなかった。図太い私で何かごめん。

あんな事があった後、今、マーフィスは私が作った海老クリームコロッケを食べて幸せそうな顔をしている。うん、私はこういうマーフィスの顔の方を覚えていよう。

「マーフィス、口に合った?」
「うん、美味しい。頑張って飼育するから、また食べたい。って、何してんだ?」
「コッペパンにクリームコロッケをサンドしてるの。」
「えっ、俺、食べる。」

何故、片言。手渡すと、笑顔で噛み付いたマーフィス。私もマーフィスと同じく噛み付いた。

こんなほのぼのとした時間も過ぎ、翌朝、マーフィスが言った通りに早朝に手紙が届いた。想像通りに、国の司法機関からの出廷の要請だった。

怖かったけれど、私も同伴する。マーフィスを一人で行かせたくなんかない。でも、マーフィスは通常運転だった。間違って、マーフィスが裁かれたりしなければいいなと願う。

司法機関の場所には、魔法で転移する馬車が迎えに来た。




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