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特級錬金術師の旦那様

第5章 冒険者と住人


それに、あの人は悪い人ではないかもしれないけど、善人ではない気がする。ただの私の感だけど。

「ニーシアの容姿は・・・整ってると思う。」
「それは否定しないけど、でも、私はマーフィスのこの瞳が好きだしこの手も好き。他の誰でも言い訳じゃないよ。」
「ゴメン・・・ちょっと、弱気になってた。」
「いいよ、家でたくさんキスしてくれたら許してあげる。」
「えっ、キス?」
「うん、嫌?」
「嫌な訳ない。理性フル導入して、ミアが満足するまでキスする。」

たまに、ポンコツになるマーフィスが何か親しみがあって好ましい。その後は、町を散策。さっきから、マーフィスの知り合いからあちこちで声を掛けられている。

「マーフィスか、久しいな。鉱石の採掘でこの町に来ていたのか?」
「そうだ。でも、用件は終わったから次の町に行くがな。」
「そうか。マーフィスがこの町にいるのなら、お前に依頼すれば良かった。」
「剣の刃こぼれか?」
「あぁ、そうだ。今、修理に出して来たところだ。ところで、その女は?」
「俺の嫁だ。」
「・・・嫁?」

ん?何故、私の顔を凝視するの?そもそも、この人も冒険者だろうし、私には縁のなかった人なんだけど。

「あまり俺の嫁を見るな。減るだろ。」
「えっ、お前の嫁は見ると減るのか?」
「あ~、はいはい。そういうところがお前の残念なところだよな。折角、名を上げたって言うのに。」

同じパーティーメンバーの人らしき男性が、話しを割って入って来た。

「悪いな、マーフィス。こいつ、女のことになるとポンコツになるから。気にしないでやってくれ。」
「メンバー揃って、今帰りだったのか?」
「あぁ、そうだ。命を預ける武器だからな。定期的に修理は必要だろ?まぁ、錬金術師のお前なら全て自分で賄えるところは羨ましい限りだがな。俺たちは用事があるから、また今度な。じゃあな、嫁ちゃんもまたな。」

嫁ちゃんって言われた。冒険者は、ちゃん付けが好きなのだろうか?でも、ちょっと面白い人だったな。ま、私は見られても減らないけどね。

「マーフィスって、知り合いが多いんだね。」
「色々と仕事で知り合った。」

錬金術師としてと、冒険者としてでも知り合いは多そうだ。

「ねぇ、マーフィス。お胸が大きくて美人の知り合いいるよね?どういう関係か気になるんだけど。」


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