第21章 その後の私たち
美男子とイケオジのキスシーン。立場が逆な気がしないでもないけど。
「仲いいよなぁ、あの二人。ああ見えて、サーファスさんの方が入れ込んでんだよな。」
「そうなの?」
「だって、ヨーゼフさんは最初は女性が対象だったし。サーファスさんに開発されたんだろうなぁ。」
サーファスさんの交渉術って・・・。
「イケオジだったね・・・って言うか、キス長いね。」
「いつもあんな感じだって。ここが外だって分かってないんじゃないかって思う。あ、終わった。ホント・・・サーファスさんに出来ない事って、子供を産むくらいしか想像つかないな。」
「確かに・・・。」
その後
ディンバー王子は何事もなく、結婚式を行った。王子妃となった弁護士の女性は、お姉さまと言ってしまいそうな見た目で国を手玉に取る程の才女だった。
これには国王様も文句が付けようもなく、今では国を発展させるために助言まで仰ぐ様になったそうだ。そして、そんな奥方にべた惚れのディンバー王子は奥方の掌で転がされているらしい。
あの腹黒王子も、愛する人には形無しだとマーフィスが言っていた。奥方が年上だと言うことで、後継者を問題視する人たちがいたが、そんな人たちを黙らせる様に子作りに励んだ結果、予想外に子沢山となった。
「ディンバー、また子が出来たって。」
「仲が良いそうで何よりだね。」
「って、ちょっと多くないか?五人目だろ。」
「あはは、そうだね。でも、いいじゃない。幸せなら。」
「ついでに、こんな事も言われた。俺とミアとの子を、将来結婚させようって。俺としては、面倒な王族になんか輿入れさせたくないけどな。」
本人同士の気持ちがあるなら、反対はしないと言ったら少し不貞腐れてた。可愛い旦那様だ。
「もうそうそろだよな。産まれるのは。」
「そうね、いつ産まても可笑しくないってお医者様から言われてるわ。」
「俺もっと精進して働くから。」
「どうしたの、突然。って、まさか・・・。」
「まだ、三人目だろ。」
「ね、ねぇ・・・何人作るつもり?まさか、王子と張り合ってないよね?」
「張り合ってはいないけど、出来たら産むんだよな?俺はミアを抱くのは止めるつもりないから。」
そんな主張は要らない。
「仕方ないだろ・・・俺の執着って、ミアだけなんだから。あ、子は可愛いぞ?それは本当だからな。」
