第21章 その後の私たち
結果はハッキリ言って、圧勝だった。銃弾の雨を降らせて、兵は壊滅。しかし、あのゴリラはしぶとく生き残っていたそうだ。でも、トドメとばかりにサーファスさんが仲間とそのゴリラを捕縛して身代金と賠償金を貰って引き渡したのだと教えてくれた。
そして、サーファスさんはこうも言ったそうだ。
「次は、その王城に雨を降らせますのでお忘れなく。」
且つてのアルケミアのお偉い様であったサーファスさんは、色んな国でも顔が知られていて国王様たちを震え上がらせたらしい。嫌がるゴリラをお城の一角にある高い塔に幽閉し、二度と外界には出られなくしたそうだ。
変わりに齢八歳の第二王子が、この国の王太子となった。幼いがどうやら出来る人らしい。
さて、賠償金で得たお金で更に国が発展していく。もう、一国の国だと言ってもいい程の一つの要塞の様な町になった。どれだけ搾り取ったんだろうとマーフィスは言っていた。
因みに、サーファスさんはこの町の外務省的なお仕事をしているそうだ。ピッタリだと思う。
私たちの生活は近代化と異世界が混ざり合った面白い生活を送っている最中、マーフィスから知らされた事があった。
「ディンバーが年上の女性と婚約した。」
「それはおめでたいね。相手は何処かの王族?」
「この町の住人だ。元弁護士をしていた才女だって聞いた。引き合わせたのがサーファスさん。そして、一目惚れしたのはディンバーの方だって。」
あの腹黒い王子が一目惚れする相手って・・・ちょっと興味ある。ん?今、年上って言ったよね?それに弁護士って・・・。
「王子の年上なんだよね?」
「あぁ、七歳だったっけ。勿論、それを聞いた国王たちは反対したそうだ。でも、それを論破したのは彼女だ。」
流石、弁護士である。そして、その女性もディンバーを気に入ったってことだよね。
「相思相愛なんだね?」
「ディンバーの熱意にほだされたそうだ。」
あの腹黒い王子が熱意?
「結婚は一年後だって聞いた。その時にはミアの身体も落ち着ているだろう?」
「そうね。って、まさか・・・。」
「招待状を送るって言われた。その頃には、子供も産まれているだろうから、三人で行こうな。」
そう、私のお腹にはマーフィスとの子を宿している。溺愛するマーフィスによって、私は何もさせて貰えない。