第17章 宣戦布告
しかし、ディンバー王太子に引き留められ、その日は王城に泊まることになった。ディナーを一緒に食べた後、私たちは入浴の為に浴室へと来ていた。
流石、王城の浴室。広くて豪華絢爛だった。一人で入るお風呂は快適だった。ゆっくりと身体を休めてから、部屋に戻ろうと身支度を整えた。
いいお風呂だったと満足気になりながら、浴室のドアを開けて出て見れば・・・直ぐ傍にルーヴィン王太子がいた。驚きで声を上げそうになった私の口を、ルーヴィン王太子の手が塞ぐ。
「愚弟の婚約者だった時は、控え目で従順だと思っていたが意外にも夜は行動的なのだな。口惜しいが今更仕方ない。どうだ?私に抱かれてみないか?そうすれば、私の方がいいと分かる筈だ。」
私が煽ったから、こんな風になってしまったのだろうか?こんな事を言う人ではなかった気がする。それに、諦めてはくれなかった様だ。
更に言うと、ルーヴィン王太子の下半身は膨らんでいる様に見えた。どうやら、私に欲情しているらしい。だから、私はトドメをさすことにした。
「それで私を満足させられるおつもりですか?」
私が口にした言葉と、私の視線で意味を理解したのだろう。震える声で、こう言った。
「あの男のモノは、そんなに立派なのか。」
「比べるまでもなく。」
「ならば、それが事実か確かめろ。」
アレ?妙な方に煽ったらしい。
「今の私が全てだと思うのは大きな間違いだ。あの男以上に満足させてやろう。」
何やら、宣戦布告してきたルーヴィン王太子。どうやら、壊れたらしい。こんなキャラじゃなかった筈。
よしっ、殴ろう。相手が王族だろうが、マーフィスとサーファスさんが何とかしてくれる筈だ。以前、マーフィスから聞かされていた通りに殴ろうとしたのだけど、腐っても王族。簡単に避けられてしまった。
とうとう、どこかの部屋に連れ込まれたのだけど、先客がいたらしい。あ、マーフィスだ。そして、激おこだ。マーフィスの行動は早かった。気付いた時には、マーフィスの腕の中にいた。
「マーフィス、怖かった。それに、あの人マーフィスより貧相な身体しているのに、上から目線なのよ?」
あ、マーフィスがルーヴィン王太子に近付き、目線をある場所に向け小馬鹿にする様に笑った。
「ミアの言う通りだな。あぁ、良いことを思いついた。一部を隠せばいいか。」