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特級錬金術師の旦那様

第17章 宣戦布告


ディンバー王太子の言葉に、誰よりも反応したのはルーヴィン王太子だった。意味を理解したのか、険しい顔でマーフィスを見ている。

「き、貴様・・・私の婚約者のミア嬢に不埒な真似をしたと言うのか?」

いつの間にか、私はルーヴィン王太子の婚約者になっていた。私たちの目の前に証明書を見せた。私の代筆として、父親がサインしていたのだ。この国では、保護者が代筆する事も許されている。

「俺は俺の嫁であるミアを抱いただけだ。部外者であるお前に咎められる謂れはない。」

ルーヴィン王太子の鋭い目が、私に向けられる。それが真実なのか、私に聞きたいのだろう。

「マ、マーフィス、こんな人前で夫婦生活のこと暴露するなんて恥ずかしいじゃない。でも・・・控え目に言っても、マーフィスに愛されるのは幸せだわ。ねぇ、マーフィス。今日も私を愛してくれる?」

ルーヴィン王太子に見せつける為に、少々、煽ったのは自覚している。確かに、ルーヴィン王太子は珍しくポカンとしていたし、ディンバー王太子は楽しそうにニヤニヤしてる。

マーフィスは、私の頬を撫で甘く微笑みギャラリーの前でディープキスを繰り広げた時はどうしようかと思った。

「今すぐ抱きたい。ミア、直ぐに帰ろう?ミアの望む以上に、俺はミアと一つになりたい。」
「マーフィスも同じ気持ちで嬉しいわ。大好き、マーフィス。愛してるわ。」
「俺もだよ、ミア。愛してる。たくさんミアの中に俺の子種を注いだけど、まだ足りないと思う。もっと、俺に染め上げたいし愛し合いたい。」

ルーヴィン王太子は俯いたまま、震えている。その震えは怒りからか、それとも別の何かなのか分からない。

「ミア嬢・・・私を愚弄するとは。家族がどうなってもいいのか?」

あぁ、どうやら怒り心頭の方だったらしい。プライド高いものね。王族って特に。

「ミア嬢は私の元に嫁ぐことが決まっている。それを違えると言うことは、それ相応のっ。」
「私の家族は夫であるマーフィスだけです。」
「なっ!!?ミア嬢はローンベルク家を捨てるつもりか?」
「私はただのミアです。何か勘違いされていませんか?」

私自ら、拒絶の言葉を吐けば、ルーヴィン王太子はその場は引き下がった。ディンバー王太子は楽しそうで、マーフィスは少しでも早く家に帰ろうとする。
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