第17章 宣戦布告
どうしてこうなった?私は今、マーフィスに愛されている。何故か、ギャラリー付きで。そのギャラリーはルーヴィン王太子だ。私は見られて喜ぶ趣味はないのだけど。
どうやら、ルーヴィン王太子に痺れ薬を盛ったらしく、直立不動のまま私たちの営みを見ている。私の身体は死角で見えない様にしているらしい。
ただ、マーフィスのモノはご披露したらしく何やら表情からごっそり何かが抜け落ちていたルーヴィン王太子。マーフィスの圧勝でこの夜は過ぎて行った。
でも、もう一人の存在を忘れていた。マーフィスを求めて追い掛けて来た、あの令嬢を。どうやら、間違った部屋に案内され見知らぬ誰かと勘違いして致してしまったらしい。
朝目覚めて、思った相手とは違ったことで大声を上げて騒動になったと聞かされた。早い内に奥方を失くした壮年の騎士出身の男は、そのまま持ち帰ったという事も話してくれた。
何歳になっても女は女だと言うが、男性もそういう人もいたのだろう。ただ、見た目がゴリラの様で厳つく、年齢らしからぬ時間だったことも教えてくれた。
最後まで、マーフィスじゃないと泣き叫んでいたそうだが、拒否出来ずに領地に連れ帰られそのまま後妻として迎い入れられたと聞いた。
何よりも、ディンバー王太子が一番楽しんだ様でご機嫌で私たちを見送ってくれた。私はというと、マーフィスに抱き潰されてマーフィスに抱えられての帰還となった。
ルーヴィン王太子は、自国に戻るなり新しい婚約者を早々に見つけて早々に手籠めにして予定より早い結婚式を行った。
サーファスさんが一度、国王様を訪ねて圧力を掛けた事を私たちは知らない。すっかり震えあがった国王様は、ルーヴィン王太子に選択をさせ、大人しく自国を守らなければ廃嫡するといい、すっかり牙を抜かれた猛獣となったそうだ。
今回は、私もそれなりにはっちゃけてしまいらしくなかったと思う。でも、後悔はしていない。
マーフィスはと言うと、より一層私に甘い旦那様。ディンバー王太子から頂いたお菓子を二人で食べさせ合いをしながら楽しんだり、次の町に期待を膨らませていた。