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D.World.

第6章 整理








彼女はソファの肘掛けの部分に腰掛けて俺より高い位置で居るのに、煙を気にして少し上を向いて吐き出した。


「…世間では色んな物が溢れかえってて
その多くの人、特に女性は知らない。
この火の付け方が一番旨いってこと。」

「…ああ。そうだな。
お前は知っていたのか?」

その言葉に彼女は煙草を遠目に手を伸ばして眺めるように

「多分、ずっと前から」

ずっと前なんて言うから“いつ”の事だなんて聞けないな。

時空を駆け回り今も何処にいるのかあやふやなのかも分からないと話した彼女に聞ける訳は無い。

どう声を掛ける?声をかけた方がいいのか?

そのまま無言で煙草を吸うと、頭の上に
俺の手よりずっと小さな手が乗ってきた。


手の主の方へ目をやると
彼女は煙草を咥えたまま笑って答えた。


「“知ってる”」

「…酒と煙草の相性がいい事もか?」

「知ってる」

「酔いが回る事もか?」

「知ってる」


なんでも知ってるんだなと言ってやりたくなって、ただその場でフッと笑った。


今朝のキッチンでの事を思い出して彼女の服から落ちたガムボールのようなものを見せた。

「お前がキッチンを出た時、これが落ちてたぞ。どんなものなんだ?」

「コナンくんのサッカーボールには敵わないけどこれも同じように使えるよ。こう、連射で。」

なるほど、だからサブマシンガンだったのかと納得した。





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