第6章 整理
「実弾は使わないんだな。」
「…いや」
俺の質問に一気に顔色を変え、その内容を否定する彼女に目をやる。
「…FBIの施設に行った時に、ブチ切れて。」
驚いたが施設で暴れたのなら帰って来れる筈はない。
どういう事だ?ジェイムズからは何も聞いていないが。
「違うぞ。」
考えを読まれているのか自分ならどう考えたかを察しているのだろう。
笑いながら否定された。
「勧められた射撃場で撃ってたら、煽られたんだよ。安全な国に居るだろ何で日本人が銃を持ってるんだって。」
そういう事か。更に女性でこの身体付きだからな、さぞ嫌な言い方をされただろうな。
「弾の無駄遣いだと言われてブチ切れた。其奴の顔を見たまま的を5発撃った。」
普通なら、その状態で的に当たる事はないだろうな。だがコイツは違う。
「真ん中を撃ち抜いているが1発しか当たってねえって笑われた。」
俺は話を聞きながら口角を上げた。
4発、的を外す?ないな。
「壁を掘り出して貰え。次はお前に向ける。って言ってやったよ」
彼女は携帯を操作し送られている画像を俺に向けて見せた。
壁を掘り出したんだろう、そこには5発の銃弾が同じ穴に通っている写真があった。
「これを見せられた其奴は何て言ってたんだ?」
彼女は笑って
「“2度と会いたくねえ”だって。」
それを聞いて2人で声を出して笑った。
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