第1章 手順
赤井said
“後で”とはどういう意味なのか分からないが、出会ってから一番感謝された事が伝わってきた。彼女にはあの携帯以外何もないと同情なのか勝手に色々用意してしまっただけだったんだがな。しかし、彼女の言う“面倒”とはどういう事なのか、一度試してみるかと思ったものの今は彼女が向かった場所。そこを横切る訳には今は行かないかと、この場を離れた。
主人公said
自分の携帯をいじりながら3ブロック歩いた頃、よく見ていた建物が見えてきた。ポアロと毛利探偵事務所だ。
ポアロの前を通りながら店内を少し見てみると女性の店員さん以外は見当たらなかった。
まぁ、そうだよな。と思いながら毛利探偵事務所の階段を登り始めた。
声は聞こえない気がするが、一応ドアをノックしてみる。今ここに誰も居ないとなると、暫くここに居たほうがいいだろうな。と考えていると上の階から蘭ちゃんが顔を出した。
「あの〜、父は今出掛けていますが待たれますか?」
「いえ、私が用があるのはコナン君なんです。」
そう伝えると蘭ちゃんが部屋の奥に向いて、コナンくんを呼んでくれた。
「えー?何でボクにお客さんなんか?」
「こんばんわ。阿笠博士に頼まれた物を渡したくて。」
コナンくんは私を見ながらゆっくり近付いて私は蘭ちゃんに見得ない位置で赤井さんから渡された携帯のメモ画面を見せた。動揺した彼は私から携帯を奪いそに画面に見入っている。
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工藤新一くんへ
君と阿笠博士の力を借りたい。
私は
この世界の住人では無く、この先の君に関わる人たちの秘密を全て知っているが
私がそれを伝える事で変化してしまうと何が起こるか分からない。だから極力伝える情報を制限したい。
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