第1章 手順
このままの状態で渡すと彼は俯いて、やがて
そこに書き加え始めた。お互いに喋らず携帯を見て会話を打ち込んでは手渡を繰り返した。
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『困ってるんだね?』
『そうだね。まだ色々疑いが拭えないだろうけど“組織”の人間じゃないから、信じて欲しい。』
『俺の話に合わせて』
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その携帯を返されるとコナンくんは蘭ちゃんの方に向き、「博士の道具を渡されたけど使い方が分からないから聞きに行ってくる。おねーさんと一緒だから大丈夫だよ。」と指を刺されたので一応会釈を返し当たり障りの無い対応をした。
博士の家まで歩いて行く最中にコナンくんに話しかけた。
「すまない。頼れて自分の事を話しても良さそうな人間に君と他の何人か意外、分からないんだ。素知らぬ顔でこの世界で生きていく方法も私には、無いようでな。」
コナンsaid
そう話すこの人の顔を見て、組織との関係を疑った俺は目を逸らした。今にも泣きそうな顔をして苦しそうなのに瞳には信念しか感じられないのだ。
この人は一体、
主人公said
こんな小さな彼の背中を見ていて思う、自分が同じ立場なら人に頼られその人を信用できるのだろうか。
自分より大きい姿で、力も負けそうな程の大きさになってしまって同じ状況なら、自分はどうだろうと考えた。
そのせいか歩幅が遅くなり、彼に気づかれる。
「?、どーしたの?」
なんて、情けないんだ。こんな子供に気まで使わせたのか。そう思うと自分の考えに目を伏せ、1秒もしない内に再び目を開け
「なんでもない。」と言い放った。
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