• テキストサイズ

D.World.

第5章 “悪夢”







「…大丈夫ですか?」

沖矢さんの見た目をした優作さんが背中に手を回してくれる。

「大丈夫です。すみませんが、そこに」

息はまだ整わず、言葉が続かない。

とにかく座らせて欲しいと椅子を指差した。

察してくれた優作さんは連れて行ってくれる。
そのまま耳打ちすると優作さんが小さく頷く。


「…すみませんが、今夜は遠慮して頂けますか?」

安室さんに優作さんが話すと安室さんは黙ってお辞儀してから工藤邸を出た。

「部屋の中を見てきますが、大丈夫ですか?」

優しい言葉をかけられ私は頷いて息を整わせながら返事をした。


正直“どこ”でタイムリープが開始され、終わった所で“どこ”に向かっているのか

それとも何処にも向かわずに次の新しい話に接触できるのか

全く分からない。

それなのに身体が向きを変え、椅子から降りて“阿笠邸に向かわなければ”と思っている。


けれど再度動き回って探して話しが出来る程の体力はない。

紙とペンを取り、阿笠邸で居ます。と書いて少し落ち着かない呼吸のまま工藤邸を出た。





.
/ 223ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp