第4章 螺旋
ショッピングに出かけている最中、哀ちゃんとお互いに似合いそうな服の話をしたが正直変装やカムフラージュ程度にしか興味はなくて。大体は黒い服を手に取っていた。
数時間たってカフェで休憩していた時、通りの向こうのお店に茶色い小さめのリュックが売られているのが視界に入った。
ーートランプ銃入れやすそう。ーー
欲しいものを見つけたと伝えすぐ買ってくるからカフェで待っててと伝え直ぐに向かった。
店に入ると中はいろんな種類のカバンがあった。
目を奪われていると店員さんが話しかけてくれたのでウィンドウの中にあるリュックが気になる事を伝えると取ってきてくれた。
「このリュック、少し変わっていて。」
店員さんがリュックの使い方を教えてくれる。
「まぁ、こんなの使うタイミング無いと思いますけど」
肩をすくめ笑いながら私を見るが私はこのリュックに可能性しか見出せなかった。
買い物を終えカフェに戻ると博士がケーキを食べていて哀ちゃんはそれをじとっと眺めていた。
「あまりお戻りが遅い様なら迎えにいく所でした。」
沖矢さんに声をかけられる。
「あなたはすぐ倒れてしまいますので。」
そういえば昨日と今日は倒れていない。が、不思議に思う方がおかしいだろうと思って沖矢さんをチラリと見た。
「このあと、スポーツ店に行きたいんだけど」
意外なのか博士と沖矢さんが声の主、哀ちゃんを見た。
「私も行きたい。
スカッシュボールが欲しいんだよね。」
「!」
哀ちゃんがカップを置き、私の顔を見上げる。
なぜ驚くのか分からず、ん?と顔を向けると
欲しいものが同じだったと伝えてくれた。
「…博士にやらせる?」
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