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D.World.

第4章 螺旋






「今日は君が使い古したマントかその切れ端でもいい、ハンカチくらいのサイズでその布が欲しいのと、
トランプ銃の扱い方を伝授して欲しい。」




快斗said

この女性に会うたび思う。
彼女の目はいつも真っ直ぐで
自分の信念に従っていてそれが曲がることは無いんだろうなと。


「いいぜ。みっちり特訓だ。」


だが、彼女の覚えは頗る良く。
何分としないで申し分ない程の腕になった。


「…俺と怪盗やらない?」

マントの素材を渡しながら勧誘したが

「やらない。」

考える素振りも見せず断られた。
あ、そう。と悲しく肩を落としていると
彼女が手の届く位置まで近づいてきた。


「…でも、必要になったら頼って。
必ず助ける。」


ーーまただ。この真っ直ぐな瞳ーー

彼女の腰に手を当て自分の方へ引き寄せる。
顎を指で少し持ち上げるとお互いの息が
かかるような距離感になった。


「キス、したいの?」

彼女に具体的にそんなふうに言われて身体が強張った。

服を掴み、より近付いてくる彼女の姿に目を閉じると
柔らかいものが、額に触れた。目を開けると
彼女の胸が見えて自分の顔に熱を感じた。


そうか、位置関係的にッ


「それじゃぁ、この銃借りてくね。」


白いカードの刺さったトランプ銃を軽々奪うと
お邪魔しましたと言いながら部屋を出ていく。

彼女はやっぱり怪盗に似合っていると思った。

「…この怪盗キッドから盗むとはな。」





主人公said

すっかり夜になり阿笠邸のドアを開けると
コナンくん阿笠博士沖矢さん哀ちゃんが何やら会議をしていた。


「ただいま。」


声をかけると全員の様子が一変。

暫く無言で見られ、何だろう?と首を傾げる。
哀ちゃんに心配かけたの分かってる?と
低めの声をかけられ、哀ちゃんは俯いてわなわなと震えている。



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