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D.World.

第4章 螺旋






部屋のドアが開いて沖矢さんが起こそうと手を貸してくれた。

「目、覚めたんで。ソファに、」

「…なるほど。」

沖矢さんは少し考える素振りを見せてから了解してくれた。
グラスに用意された冷たくも温かくもない
経口補水液を差し出されて、きっと哀ちゃんが
作ってくれたんだろうと思うと嬉しくて口元が緩んだ。

「それで?」

私の様子を眺めていた沖矢さんが切り出した。


「…タイムリープ。」




赤井said


彼女の向かいのソファに座り
喉元の変声機を触り、マスクを外す。
以前説明しろと話したのが効いているのか彼女の方から話を続けた。

「コナンくんから聞いた?」

「何をだ?」

探りながら話さなければ
影響が出るかもしれない状態なのはお互い様だろう

「ゼロの話だ。」

一度目を閉じてため息をついた彼女が
目を開けて真っ直ぐこちらを見てきた。

「…嗚呼。次の作戦を練っているところだ。」

「そっか。」

腕を組んで自分の唇に手を当てる仕草をしている。
これは彼女の頭がフル稼働している状態なんだろうな。
だが、目覚めたばかりでそれはどうだ。

「少し休め。」

「……」

チラリと目を向けて彼女は何かを確信した様に見えた。

「飲むか?」

バーボンをグラスに入れて尋ねたが首を振られた。
序でに人の気も知らねえでと睨まれてしまった。
“人の気”とはどういう意味か聞きたかったが、
彼女はソファに凭れて目を閉じた。
どうやら普通に寝ているようだ。

ーーまるで眠り姫だなーーー

さっきまでの態度や口調を思い返して
それはないかと考え直す。
面白い奴で中々目が離せないのは変わらないがな



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