第3章 跳躍
“中止”ーーこの言葉に、反骨心を煽られた
「じゃ、この
おねーさんがやってくれると思うよ!」
コナンくんの手が、私の手を離さない。
顔を上げると3人と目が合ってしまい、逃れられない状況にいる事を察したが
「ちょっとコナンくん!お姉さんに迷惑…」
蘭ちゃんの怒る声が聞こえたけど、その場から逃げるつもりはなくて。
「私でよかったら」
そう答えていた。
ライブハウスの地下に皆んなで移動して、このバンドの合わせをする為に譜面を見せて貰う。聴き始めた瞬間から気付いた。
もう1人が何に怒っていたのか。
でも彼は伝える術もその技術も足りない自分にも
怒っていたんだと察して、笑みが溢れる。
コナンsaid
「なるほど。ちょっとドラム座らせてもらってもいい?」
彼女は椅子を下げ軽く叩いたり触れる様なスティックの使い方をしたりして何かを調整している様に見える。ドラムの人と譜面を見ながらここで強くしたり、譜面にはあるけど無くすのも手だと話していてその話は他の2人も興味がある様でじっと話を聞いている様だ。
ドラムを叩き始めると交代するまでとは違う様な音になった。ドラムスティックを放り投げて次の瞬間は強く叩くのかと思ったが、とても優しく叩いて
「“魅せて”“裏切る”っていうのが結構見ている側には響くの」
と俺らを指差して笑った。バンドメンバーはその様子に感動している。
「じゃぁ次ギター、ちょっと貸して。」
ドラムから離れると今度はギターを交代し、アンプと呼ばれる機材の元に行きボリュームを落として電源を切った。その状態でギターの子に何かを話しながら弾いている。ギターの子も熱心にその話に耳を傾けている様だ。
「最後、ベース。」
俺も凄えとは思っていたけど、俺の後ろで蘭や園子、世良が楽器全部出来るって凄くない?ね、かっこいいね。と話していて安室さんは何か思うところがあるのかじっと彼女を見つめていた。
主人公said
この感覚が凄く楽しくて貸しスタジオの前で自分が何を考えていたかを忘れられた。
蘭ちゃん達はこのバンドメンバーにチケットを貰って観客側に移動するといって地下を出ていった。
そこから人数の減った地下のスタジオで質問攻めに合ったりまだ弾きたいと言われたりして過ごしていると出番だと声をかけられた。
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