第2章 “才能”
彼女たちと街を歩き、談笑しながら実はと阿笠博士のところでお世話になっている事をカミングアウトしたり、自分には身寄りがなく頼れる人は少ない事や、ある一定の時期より以前の記憶がないと話した。
日が傾き始めた頃、そろそろかと思いながら自分の携帯を出して時間を確認しようとした。
すると、パスワードが自動的に入力され画面が開いた。
“彼女たちに女子会をもう少ししていたいと告げろ”
その画面を見た私は携帯を閉じ、少し寂しそうに俯いて足を止めた。
「?どうしたんですかお姉さん」
「えっと、その。今日が楽しかったから、まだもう少し皆と居たくて。迷惑、だよね?」
3人は顔を見合わせる。
正直楽しかったしほとんど本心だが、この後の行動を考えている私は罪悪感に苛まれた。
「全然!おっけーよ!あ、何ならウチ来ます?」
「いいねそれ!」
「お菓子とかも買って行ったらいいんじゃないか?」
快く承諾してくれた彼女達にありがとうと言うと3人は笑った。
「なぁ!バイク好きなんだろ?後ろ乗らないか?」
「乗りたい。ていうか運転してみたい。」
いいけど免許もってるのか?と首を傾げ見られる。
「普通車の免許じゃ50ccか125cc以上は乗れないぞ?」
「それなら大丈夫。」
沖矢さんに貰った、出来たばかりの免許証を見せると世良ちゃんは目を見開いた。
「すっごいな、全部乗れるのか」
「あぁ、うん。まぁ。」
ーーー聞いてねえ!バイクだけで良いって、いや良いんだけどトレーラーは乗らないだろ!
自分も説明不足じゃん!!ーーー
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