第2章 “才能”
降谷said
会合に同席の許可を貰った直後、壁からタンッという短い足音の様なものが聞こえた。
急いでドアを開け、階段下を見るがそこにはもう誰もおらず、後を尾けても遅いだろうと感じた。
壁を見ると少し小さめの足跡が見える。
ーー大きさからして女性、ーーー
蘭さんがこんな狭い所で壁を蹴れる訳もない、彼女には狭過ぎるだろう。
あの日、この前の通りで姿を消し消息を掴めなくなった子を思い出していた。
主人公said
びっくりした。というより自分の身体がアクロバティックな動きが出来ると思っておらず、息も絶え絶えになった。
というより、今はあの展開か。
直ぐにコナンくんに連絡し、蘭ちゃんに取り継いでもらう。
「コナンくん!蘭ちゃんと女子会したい!」
『もしm……は?』
ーーーまたやってしまった、と赤井さんに言われた事を思い出したーー
『…と、とりあえず一旦落ち着いて?何があったの?』
「えっと、蘭ちゃんが危ない目に遭うのは嫌だよね?私も嫌。とにかく、今は説明してる時間が惜しいから“この間来た女の人、こっちに最近引っ越してきたばかりで何も分からないし、ツテもないから街を案内して欲しい。出来ればらんねーちゃんの友達も一緒に!って言ってるよ“って言えば了承してくれると思う。待ち合わせ場所は米花駅前で!あと、世良ちゃんのバイクみたいって言ってたって適当に話し繕って!お願い!」
コナンsaid
「…。」
何か返したほうがいいのか、どう言ったものかと考えている間に既に通話は切られていた。
一気に言われ、なんなんだ?と不思議がっていると蘭に話しかけられる。
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