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D.World.

第1章 手順




どこにでもいるだろうか、出来るだけ分かりづらい言い方を選び今後に影響しない様配慮する。

「どこにでもいるだろう?」

その返答が返ってきた時点でまだ会っていない事は把握できた。少し安堵する。大幅に自分の記憶をどの辺りに絞ればいいかが見えてきた。
情報が足りている訳ではないが、自分には必要なモノを揃える必要があるのだと赤井さんに話し、連れて行って欲しい場所を伝え部屋の出口へ向かう。

「待て。」

赤井さんが呼び止め、私の行動はすぐに止まった。真後ろに赤井さんが立っていて背中には何かの人とは違う気配を感じた。

「…俺が君を手伝って何のメリットがあるんだ?」

そんな事を気にするキャラクターだったか?と首を傾げる。
ーーまぁいいか。何だろうな、メリットーー

「道々考えるんで、取り敢えず移動して貰えると助かる。」

振り返り真っ直ぐ彼の目を見ながら真面目に返すと彼は口角を上げた。上着の内側から手を出し、入り口のドアノブに手をかけると出口を開けてくれた。

ドイツ製の車に乗り込んで車を走らせた赤井さんは私に名前を知っている理由や自分が疑問に思っているんだろう事を色々と聞かれたが答えられないと返した。だが、ストーリーに影響するのかしないのか全く聞いたことのない話を始めた。

黙って聞いていれば単に煮詰まっているのだという。

「…面白い話だな。」

「面白い?」


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