第2章 “才能”
「大丈夫だよ。何で私の携帯が着信になるのかは分からないけど、こっちの携帯でこの携帯の番号を入力してもーーー
お掛けになった番号は現在使われておりません」
携帯から使われていない番号というアナウンスが流れる。ねっ、と笑うと哀ちゃんは安心したようで私にもたれかかってきた。
沖矢さんが肉じゃがを皿に盛り私の前に差し出してくれた。
いただきます、と口に入れるが味がしない。
ーーどうして、タイムリープの後遺症ーーー!
タイムリープ?どうして、そんな言葉がーー
「また味がしないわよ。」
哀ちゃんの声でハッとした。哀ちゃんも味がしないって、どういうこと?と首を傾げると私を見て哀ちゃんは
「彼、料理下手なの。」
それは、知ってた。と考え直し、そういうことかと納得した。
ただ自分で“タイムリープした”と実感する日が来るとは。
パラレルワールドに来てる時点でそれだけで終わると思ってたのにタイムリープもついてるのか。これはかなり厄介になりそうだ。
どこまで遡るようになるのか、この世界を変えたらこの未来はどうなるんだ。
そんな結論なんて到底出せそうにないことを考え込んでしまった。
「どうしたの?どこか痛む?」
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