第2章 “才能”
ーーそんなんだから
携帯取られるんだーーー
角を曲がる時に一瞬視線をやると男性の後ろに赤井さんの姿をした降谷さんが見えた。
降谷said
注意力が欠落しているこの男性から携帯を拝借するとそこには紙が挟まれていて、そこに書かれている事に驚いた。
“今は読まずに1人っきりになった時に読んで”
“安室透様”
一応この紙を懐に仕舞い、男性の携帯でメールを送った。
暫くして、
狙い通りの情報を手に入れ、変装を解いていると携帯に挟まっていた紙が落ちて、そういえばと思い出す。
丁度いいと思い、紙を開くとそこには
ーーーーーーー
Dear Bourbon.
あなたの予定が空く頃、
この近くのBarで会いましょう
0
ーーーーーーー
初めと終わりに書かれた文字に固まる。ベルモットかとも一瞬思ったが、ベルモットなら電話かメールで言ってくるだろう。
誰かが自分の正体に気付き次に殺されるのは自分なのかと考えを巡らせるがしくじっていない事や思い当たる節がない事様々な考えを巡らせたが一向に結論は出そうに無い。
開く前に書かれていたのは“安室透”
そして”バーボン“と”0(ゼロ)“の文字
明らかに俺を知っている者がいる。
それに”安室透“は偽名でつい昨日公安に書類を出した時に書いたあの一度だけだが、俺より上層が機密情報漏れか?ーーーありえないだろーーー
どのみちこの紙を誰かに見られる訳にはいかないと考え紙に火をつけ燃え終わる頃、それを握り潰した。灰だけがそこに落ちる様子を眺めた後その場を離れた。
主人公said
予定が空く頃と書いたもののいつなのか見当はつかないので暇潰しもあり、携帯片手に出入り口からまっすぐ入った位置に向かい合わせに1人用のソファがある場所、出入り口が見える壁側に腰掛け注文をする。
「スコッチ シングル ストレート」
程なくしてバーテンダーが持ってきたスコッチを一口飲み携帯を触りながら時間を潰す。この携帯の小説を読む時間がゆっくり出来たのは久しぶりだ。ゆっくり充分な時間を過ごしたが、彼は現れそうにない。閉じる前に時間を見ると22:21の表示。まだ忙しいんだろうと思い、席を立って支払いをし外に出る。
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