第2章 “才能”
ことの全てを哀くんに話すと、哀くんは
「じゃぁ、あの電話は誰かもわからない相手と通話、つまり電話の向こうで誰かが聞き耳を立ててるかも知れないってこと?!」
と慌て始める。
わしは悩んだ末、電話を切る訳にはいかなかった事、出来るだけ部屋には近付かず、行っても喋らない様にする事、心配なら新一に相談するようにとなんとか哀くんを落ち着かせた。
沖矢said
彼女が帰国するという話をジェームズから貰い、俺は迎えに行くことを考え電話が鳴るのを待ったが、一向に鳴る気配がない。あまり頼られていないのかと思いながら窓の外に目をやると彼女がーーーー
ーーー飛んで来た。
阿笠博士の家の玄関付近でバランスを崩し派手にスライディングを決めている。
何をしているんだと思ったがそのまま博士に抱えられ連れていかれる様子を見るとまた気を失ったかと想像は容易かった。
しかし、
「飛んでくるとは。」
面白くなりまた自分の口角が上がっている事を自覚した。
帰って来て直ぐに笑わせてくれる彼女にやはり興味を持ってしまう。
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