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D.World.

第17章 齟齬








「…コナン君から聞いてる?」

「ええ。その姿では少々心配だそうで、私も同じ意見ですので。」

「でも今からポアロに行くんだよ?」

こちらはコナン君の様に子供の真似をして色々言って遊ぼうと決意している。
この姿で安室さんに会いに行ったらどうなるのかという事も大分楽しみだ。

「…承知していると思いますが、くれぐれも」

「大丈夫だよ」

にっこりと笑顔を向けると沖矢さんも口角を上げた。それを確認するとポアロに向けて足を進めた。


「手を」

「無理。身長差あり過ぎて身体が浮く」

納得いかない様子ですぐに手が伸ばせられるように両手を出して歩いている。珍しいな。

ポアロに着くと沖矢さんが先にドアを開けてくれる。

ドアがまだ開き切ってもいないのに沖矢さんから独特の雰囲気が漂う。

明らかに目が合ってお互いに動けない状態になっているのが分かる。

先程私に注意を促そうとしていた人間が何やってんだと思わずにはいられない。


「すばるさん、ありがとー!」

ドアの隙間から中に入ると沖矢さんの動きが再開される。

「いらっしゃいませ。こちらの方とお知り合いですか?」

「? そーだよっ」

子供らしくにこにこと笑顔を向けると一瞬驚いた顔をしてサッと顔を逸らされた。

「…窓側、いいですか?」

「ええ。…ですが、まるで見張っている様ですね」


ーー何を見張るんだよーー

席に座り、メニューを眺めていると聞こえてくる会話に心の中でツッコミを入れた。

「何が良いですか?」

テーブルに頬肘を立ててこちらを見てくる。

「んー…紅茶が、アールグレイなら欲しい。」

「おや?茶葉の違いが分かるんですか?」

「え?当然でしょ?」

「当然…ですか?」





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