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D.World.

第17章 齟齬








「いい?この新薬をあげるのはデータを取る為よ。活動時間や運動量などの記録、脈も知りたかったけど貴方にはないから私達と同じ様に効くかわからないけど…悪いわね、モルモットの様にしてしまって…」

「そんな事気にしてないよーっ哀ちゃんの服早く着たい!」

言ってしまってすぐ怒られると思ったが予想外にもサイズが合えばねと挑発されてしまった。

薬を飲み、全身に熱が籠る。

今まで何度か見た事のある状態がこういう苦しみだったのかと身を持って体感した。

身体が小さくなった後、哀ちゃんのお古を貰う。

だが自分が哀ちゃんより少しだけ小さい所為でどれもすぐ着ることが出来た。


「…もし、この状態で“戻って”しまい、身体が戻れない様なことがあったら、コレを飲みなさい。それと江戸川くんは何度かあるんだけど、突然自分の身体のサイズが変わる事で何らかの言い訳ができない状況である場合にだけ、この新薬の方を飲みなさい。わかった?」

つまり新薬2錠貰った。1つは今飲んだもの。1つはこの新薬に合わせて作ったものらしい。


「…データを持って帰れる方がいいな。」

「私も同じ気持ちよ。その薬、持って帰って来てよね」

「それじゃあ行って来ます!」


バングルとアンクレットが外れてしまった事だけが普段と違う不便を感じた。その事でこの世界に来て慣れていた事があったんだなと思った。
このバングルとアンクレットは一応受け取っていた白いポーチと一緒にベルトに通して腰にかけている。


まずはどこから顔を出そうかとワクワクしながらすっかり見慣れた景色をいつもと違う目線でキョロキョロと眺めた。

「…お嬢様、エスコート致しましょう」

阿笠邸を出て500mも進んでない場所で後ろから声がかかる。沖矢さんがそこに居るってことは哀ちゃんがコナン君にこの実験の話をしてそれを伝えたんだろう。








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