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D.World.

第1章 手順





「でも、あなたパスポートはどうするの?」

「それは」

と言いかけると哀ちゃんの後ろからその場に居合わせなかったある人物から声が発せられる。

「彼女は承認保護プログラムを要請していたようで、渡しに来ました。」

沖矢スタイルの赤井さんから身分証やパスポートなどを受け取ると小声で急いで作ってくれたんですねありがとうと伝える。内心は、
ーーそうやってするからビビられるんだよ。赤井さん、正直楽しんでるだろ。哀ちゃんの反応見て。ーー
と考えていると、それとコレも。と手のひらくらいのサイズの箱を渡された。

そして哀ちゃんはというと赤井さんの思惑通りと言っていいのか、怖い顔して私の後ろに回り込もうとしていた。
赤井さんよりは信用されている様で、よかったと考えていると後ろから哀ちゃんが更に話しかけてくれた。

「そういえばあなた、自分の脈ってみたの?
私があなたの首に触れた時あなたの脈、分からなかったんだけど」



灰原said


私に脈がない事を聞かされる彼女は自分の脈を図ろうとする。
だが分からず、私の脈を取るともちろん確認できた様子で、少し考える様子を見せると急いでキッチンへ移動し小さい果物包丁を


自分の手に突き刺した

私は嘘でしょこの人何考えてるのと驚いて固まる。
だが彼女はその手を見てなぜか笑っていた。

そして

「コレは強みになる。」

と。

ーーなんなのこの人、随分楽しそうじゃない。自分で自分の手を刺して、強みになるって何に笑っているの、この人、何する気ーーー


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