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D.World.

第16章 “疎通”







彼女は携帯を取り出し、メッセージを打ち始めた。





安室.沖矢.コナンsaid


暫くすると携帯が震え着信を知らせた。

其々が干渉できない様にプログラムを立てた
グループへの案内が届いた。

ーー凄いな、相手同士がアクセス出来ないなら
互いの事を調べられない。個人的にメッセージを送り合うことも出来ないプログラムを構築する事ができるのかーーー

ーーこの招待を送ったサーバー主と彼女の番号が違う。誰だ?この人ーーー






ーーーーーーー

私が戻るタイミングで
君達にも戻って欲しくてね。
だからあの店に辿り着けるよう
3人には来て貰う必要があった。

あの店でいて貰う間、
 過去の人を見掛ける可能性があって
その場で留まって貰わなければ
セーフティポイントを外れた
   人は時間の間に閉じ込められ
 実質、死んでしまう事になる。
引き留められる人間同士が必要だった。

それと
君達にも戻って欲しかったと伝えたが
実際、君達は記憶を持った状態で
セーフティポイントに居ただけ。
その記憶を持った状態で戻って欲しかった。
入れ替わるとかそういう話じゃ無い。
自分が2人以上いるとかでは無いから。
私と同じように人間性の無い人間って事じゃ無いから安心してね。


ーーーーーーー




ーーまるで自分が“人間じゃない”
みたいな言い方ーーー

ーー全く、人の事ばかりで自分だって“戻れる”保証なんてないだろーーー

ーー重要なのは戻れなくなるリスクを負ってでも俺等の記憶を持って帰る必要があった事ーー





コナンsaid

安室さんがメッセージを打った。
それに対して彼女が答え俺と昴さんも続いた。


ーーーーーーー
『留める人間同士、か。
確かに、ドアの窓から松田を見た時出ようとしてしまって止められたよ。』

『3年前に飛んだ時の記憶が投影されたんだな』

『やはり、貴方はここ何ヶ月の範囲でループしているのではなく、年単位で戻ってるいんですね?』

『それは少し違う。ただ、まぁ。“分からない”けど。』

『それだけ、“超えている”って事だよね?』

『そう』

『あの顔立ちの整った方は誰ですか?』

『…黙秘権を行使する』



安室さんの問いかけに彼女らしい答えが返って来て口元が緩んでしまう。
帰って来たと実感して安心している自分がいた。



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