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D.World.

第15章 無間











沖矢said

ーー分かっていたのか、
 彼を止めるにはこの場所に
俺とボウヤが必要だとーーー


彼に危ない橋を渡らせてでも此処に
連れて来る必要があったのか?

力無く俯く彼には今
考える事が必要なのかも知れんな。


「…彼女は此処で何を準備する
  つもりなんでしょうね。」

「……或いは、“調達”…」

ボウヤの声に降谷くんは顔を上げる。

「…ごめんね。安室さん、異様過ぎて理論が通じないんだ。期待、しないでね…」


「…ああ。」


何を断られたのか薄々察しはつくが、
今この場で掘り下げることは不粋だろう。


「…!」


突然、店のブレーカーが落ちたのか
辺りが暗くなった。

ボウヤが腕時計でライトをつける。

「あちゃー、またかな?
ブレーカー見に行って来ます。」

女性の店員は再び奥に戻った。
暫くすると明かりは戻され、女性は帰ってきた。

「最近多いんですよね。大丈夫でした?」

「平気だよ!それより、この荷物って持って帰ってもいいの?」

ボウヤが白いポーチを指差す。

「大丈夫だと思うよ」

女性が笑顔で話すとボウヤもお礼を言った。

ボウヤに降谷君が近づいて耳打ちする。


「…コナン君。」

「どうしたの?安室さん。」

「どうやら、もう店を出ても大丈夫な様だよ」

「…どうして分かるの?」

「……君も、分かっているんだろう…?」

「…」


ゆっくり店のドアを開き、外に出た。






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