第15章 無間
降谷said
入る前と何も変わらない状況。
特に変わった様子も見当たらなかった。
ただ、手元には彼女のポーチと
女性店員が話した“3年前”という情報。
そして、
あの店の前には“松田”がいたという事実を
持って帰った。
「…移動しよう。」
コナン君の意見でその店の向かいにある
カフェに入り、状況を整理し始めた。
「…君は、どう思う?…あの店には何かある」
「……仮に、あの人が3年前まで遡れるなら、あの店は彼女の行動に合わせてタイムリープ出来ることになる。恐らく、その中に居る人も。
だから“3年前”って言われたんじゃないかな」
「我々が店に入った瞬間から、3年前に彼女が“戻った”、と?」
「そう。このメモ
【 “戻る”までその店を出るな 】
これは、もし外に出たら
此処へ戻って来る事が
出来なくなっちゃうんじゃない?」
「……」
「ブレーカーが落ちるのは多分
偶然ではありませんね。」
「ボクもそう思う。
此処に戻れたのは偶然じゃない。」
「………」
ある言葉が脳裏に響いていた。
“ 私を殺したのは貴方なのに? ”
「……命を断つ事で、時間軸を超えるんでしたっけ…?…」
「ボクの仮説だよ?…」
沖矢昴に目を向け、確認をとった。
「なあ、彼女に言われた事ないか
“ 私を殺したのは貴方なのに? ”って。」
「!……言葉は違いますが、ありますよ」
.