第15章 無間
細めのベルトと一緒に入っていてこれを通せば
ウェストポーチとして使えそうだ。
降谷said
このポーチに見覚えがある。
だが、“時間”が滅茶苦茶だ。
「何か入ってるか?」
彼はポーチを開け中を探す。
すると1枚の紙が出て来た。
折り畳まれた紙を開くとそこには
【 “戻る”までその店を出るな 】
確かに彼女の字だ。
「…安室さん。あの人の字、なんだね?」
「ああ。君達は見た事ないのかい?」
「ありませんね。」
「ボクも。」
ーーそうか、やはり
此処に集まる必要はあったんだな…
ただ、この戻るまでとは何時間くらいのーー
視線を上げ、ドア窓から見える景色に
目を疑った。
「……松田…」
コナンsaid
ーー何?!ーー
安室さんの声に急いで振り返り視線の先に
目を細める。
確かにそこには爆破事件で命を賭した彼の姿が
あった。
その直後、安室さんは店のドアに手を掛けようとした。
「出ちゃダメだ!!昴さん止めて!!!」
赤井さんもそのつもりだったのか
俺が言うよりも早く、その手は彼の腕を
力強く引っ張っていた。
安室さんは沖矢さんに振り返り、
沖矢さんは安室さんに横に首を振られる。
その様子に、分かってはいたと言うように
安室さんは力無く俯いてしまった。
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