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D.World.

第14章 羈絏









コナン君は携帯の画面で絵を描き始めた。


「こう、一直線に横線を引いて
線の上で×を書くでしょ」


説明を聞きながら画面を見る。


「この×から斜め上に線を伸ばして、

また横に引く。


この後から書いた横の線が“今”だとすると

こっちの×から先の線は

彼女は“覚えているのに”
周りの人間は“覚えていない”事になる。

彼女はタイムリープと時間軸を移動してるって
言ってたでしょ

タイムリープが“戻る”事なら

この×の地点まで戻るって事で。

“時間軸”はこの“線”

でもこの“線”はボクの例え話であって、

実際は、 幾つ あるか

分からないんじゃないかな…?」





彼の発言を真実味を感じながら
生々しく思うのは

 “分からない”

彼女の発言があったからだろう。





「…コナン君、
いつの記憶だったのかは分からないが
彼女が…ある店に行きたいと言った事がある。
それを僕は酷く嬉しいと思ったんだ。
“我儘を言われた気がして”」

「…。」

「そこで、何か…あった気が…」

「…。」

「彼奴も居た気がする。」

「沖矢さん?」

「ああ。」


コナン君は再度電話を取った。
今度はスピーカーにしている。


「沖矢さん、度々ごめんね。」

『どうした?』

「安室さんに聞いたんだけど、最近彼女と安室さんと沖矢さんの3人で出かけた事はない?!」

『………ああ、あったな。確か…』


思い出そうとしていて思い出せないのか
もどかしい時間が流れる。

居た堪れなくなり言葉を投げかけた。


「彼女の道具の話を聞いた。
僕には見せない様にしていたらしいが
その道具はどこに仕舞っていたんだ?」


『…リュックですね』


「今そのリュックは?」


「僕が最後に見た時は背負ってなかった。」


「沖矢さん、消息が切れる前
最後に会ったのって灰原?」


『おそらく。
隣に居ますのでバッジを出して下さい』


『彼女は今朝リュックを背負って
出掛けたわ。“散歩に行く”と言ってね。』






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