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D.World.

第14章 羈絏









10分後


彼女の話した場所に着くなりバングルの

一部を取って俺に渡してきた。

“コナン君にコレを”

“哀ちゃんに追跡されると困る場所にいると”

“私は安全だから電話するまで待って”

渡されたものに目をやると

突然、助手席のドアが開き

顔立ちの整った中性的なアメリカ人が

彼女の身体を抱え車から降ろした。

「おい!どこへ連れて行く!」

咄嗟に車を降りるが其奴は彼女を抱えたまま

海へーーー…


直後、波の音と共にモーター音が聞こえ

彼女を乗せたと思われる水上バイクは

夜の東京湾に消えた。






「コナン君、今から少し会えないか。」


通話を繋げ確認を取る。


毛利探偵事務所まで車を走らせて

階段下で待っているとコナン君が降りてきた。


「安室さん…まさか、あの人は…」


ベルモットと会った事で良くない方へ
考えていたのだろう青ざめて見て取れる。


「彼女は安全な場所に居るらしい。ただ、
追われると困ると言ってコレを渡されたよ。」


バングルの一部を受け取ると
彼は俯いてしまった。


「…電話をするまで待っていて欲しいそうだ」

「そっ、か。」


自分がどんな顔をしていたのか
分からなかったが

コナン君はとても心配している様子で

僕の顔を覗き込んできた。

その子供らしい様子に軽く笑ってしまう。


ーー彼女もこのくらい、
 子供の様な姿を見せた事があるーー


「…コナン君、彼女は何で
   僕を頼らないのかな…」


らしくない発言だ。

だが無力さを思い知らされ拭切れない不安が

侵食していく。


「…沖矢さんも言ったんだ。
   その言葉。」


彼奴も。 そうか。


彼女が胸の苦しみに耐え始めてからの事を話した。


「中性的な顔立ちのアメリカ人…」


「…その人が、どうかしたのかい?」


「いや、以前沖矢さんから聞いたような…」


「本当か いつの事なんだ?」


「それが、…思い出せないんだ」



それは大分珍しい事だろう。
コナン君は彼奴に通話し始めた。


「沖矢さん、…あ、いや。それは大丈夫そう。
…うん。…それで、聞きたい事があるんだ。
“顔立ちの整った男の人”と会ったって言ってなかった?」






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