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D.World.

第14章 羈絏














降谷said


ーー…一瞬、彼女が見えた。
 あの場所は首元に刃物を突き付けられた場所
   …平気なんだなーーー


彼女は“恐怖”を感じるのだろうか

いつも平然と気丈に振る舞うその姿を

目で追ってしまう。


あの黒のセダンは、誰のものなのか…ーー


「…風見、今から言うナンバーを調べてくれ。
……ああ、新宿330 せ 796……」



『出ました。…降谷さん、そのナンバーの所有はICPOのものになっています。』


「…は?」


また何かに巻き込まれたのかと思ったが

風見の余りにも意外な発言に間抜けな声が出た


『…その車両がどうかなさったんですか?』


「いや…いいんだ。ただ…




先程の車を探しに行きたいが今日は
ベルモットと波土禄道のリハーサルに
潜入する予定だ。

時間的な余裕は無い。

何も無ければ良いが










沖矢said


「赤井さん!」

ボウヤが慌てた様子で工藤邸の玄関から入って来た。

「どうした?」

緊急事態の様だ。

「灰原が、彼女の消息が追えないって知らせて来たんだ!」

「!」

ボウヤと共に急いで阿笠邸へ移動する。

「…多分車で移動している最中よ。追跡が出来なくなったのは。」

「盗聴は?」

「していないわ。ただ、壊されている訳でも無さそうなのよ。」

「どういう事ですか?」

「追跡が出来なくなる前この点が、3回点いたり消えたりしたのよ。壊されたら2度目も点けられないわ。」

「…沖矢さん、蘭達が掃除に来るって。今は
一旦、戻ろう。」



ーーー生きているなら、いや…ーーー


彼女の発言が頭の中で繰り返し巡る

“私にしかできない”

“自分の運命から逃げない”


「…“死ねない”……“大丈夫”か…」


気付けば彼女の言葉を追うように発していて

それを聞いた人間がどう思うかなど

考えていなかった。


「ッーー!!」

パァァンッ

「灰原!!」


声に出した瞬間、彼女の小さな手が
俺の頬を勢い良く叩いた。

ボウヤが彼女を制する。

「…失礼します。」

一瞬止まったかの様な空気を自ら打ち消し
工藤邸に戻る。

ボウヤと工藤邸に入ると直ぐに女子高生2人が
やって来た。





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