• テキストサイズ

D.World.

第11章 “赤井”








止められても言う事は聞けないと謝った事と
昨日の自分の行動に対して謝ったという事
其の何方もに。



『…お前さえ良ければ出掛けないか。』

「予定は無いので構いませんが…?」

『車を出しておく』

「では着替えて外に出ます」



通話を切り、着替えようとしたがどこに行くのかを聞いてから切ればよかったと思った。

いつもなら気にしない服装を気にした瞬間に自分でも驚く。

何を考えて服装を気にした?

何かを、意識したーー…?



結局、特に変わった服を選んだ事など無くて同じ様な服しか持っていない私は動き易い服に身を包んだ。


「あら、出掛けるの?」


メインフロアに行くと哀ちゃんが声をかけてきた。

「沖矢さんと出掛ける。」

「へぇ?そう。」


あれを含み笑いと言うんだろうニヤついた顔で此方を見ている。

何か言えば何と返されるか分かったもんじゃない。

何も言わずに阿笠邸を出た。

敷地から外に出るとスバル360が停まっている。

近付いてドアノブを眺める。

引くと普段の開き方と違う開き方に戸惑った。

助手席に座ってドアを引こうとすると

自分の身体の所為か、少し届かない。

後ろで笑いを我慢している声が聞こえる。


ーー態とこの車にしたな?ーー


「片足を出して、ドアを引くと同時に足を中に入れてください。」

「…ungentlemanly.」


言われた通りにすれば問題なく乗り込めたがこの采配には納得ができなかった。


「それはすみません。」

謝っているのに楽しそうにしている。


「…イセッタよりマシ。」

「確かに。ですがあれでしたら僕が締めますね。」

「乗りたくない。…BMW-Z1だと閉所もう無理になりそう。」

「あれは独特過ぎないか」


2人して変わった車のドアの事で笑ってるのは沖矢さんが仕組んだ事だろう。





.
/ 223ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp