• テキストサイズ

D.World.

第9章 贖罪












工藤邸を出て阿笠博士の家に入る。

「おお、もう直ぐ出来るからの。」

阿笠博士にお礼を言い、哀ちゃんの側に近づいた。


やっぱり、まだ怒ってるな。


「…悪かった。1人で行動して。」


「…。」


「私は、1人になりたかった。色んな時間を超えた所為で寝ていない様な感覚で。常に誰かと関わって頭の中を整理出来なくて、自分の限界を感じた。」


哀ちゃんは黙ったまま、ただ私の話を聞いているようだった。


バーボンの家に匿われていた、と言えたらこの話は楽に終わらせる事が出来るだろう。

だがそれは彼が完全に哀ちゃんの中で敵に回る気がした。

黙っている間に、どう話そうか考えてたら哀ちゃんが口を開いた。


「私の姉は殺された。」

知ってる。そう思ったが今は黙った。


「誰かが死ぬのを見たくないのよ」

「…私も。同じ。だからこそ
 逃げない。私にしか出来ない事から」


「……何故自分を撃ったの」

「ごめん。答えられない。」

「覚えてはいるのね。」






.
/ 223ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp