第1章 手順
「それも、全部知ってるんだな。」
とようやくコナンくんが私の行動を指して話した。その言葉に頷くと哀ちゃんが口を開いた。
「敵側に行ったら、って。あなたが敵じゃないってどうやって証明できるの?」
と警戒してくる。その様子にどうしたものかと考えてしまった。赤井さんの事を話せばいいのかとも思ったが今その名前を出して大丈夫か?ストーリーの進行状態はどのあたりなんだ?ポアロに安室が偶然居なかっただけか?まだ分からない事が解決していない状態で哀ちゃんのその質問に何て返そうかと悩んでいると、コナンくんが話始めた。
「灰原、この人信じて大丈夫だと思うぜ?」
「なっ」
「だってこの人言ったんだ。“困ってるから力を借りたい”“変化させない為に”って。それって俺らはこのままで大丈夫って事なんじゃねーか?それに敵が手の内明かして乗り込んで来たんなら見張ってたら良いだけじゃねーか。」
コナンくんの様子に阿笠博士は新一が大丈夫と言うならと信じてくれた。哀ちゃんは少し納得していないながらにも私の見張りと言う事で一応納得してくれた。
「それで?博士に何を助けて欲しいの?」
とコナンくんが話しかけてくる。子供の姿って羨ましい。と思いながらじっと見てしまった。
「靴が欲しいんです。5センチ位のヒールで片方はハンマーヘッドを、もう片方は足音でバレない様に左右同じ比重で博士の思いつく便利そうな道具を作って貰えたらと思います。」
博士は相槌を打ちながら練ったアイディアを聞いてくれる。ヒールだけじゃなくシューズも欲しい事と、もう一つ
「この携帯に私以外の人が開くのに3回失敗した時、爆発するように爆弾を内蔵して欲しいんです。」
博士はその発言に
「じゃが、これは君が唯一持っていたものなんじゃろう?中のデータは思い出もあるんじゃないのかね?」
と優しく聞いてくれた。
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