第9章 贖罪
沖矢said
2人になって彼女を抱き締めたままでいるといつ離してくれるのかと言われた。
「…離しませんよ。もう2度と」
「それは困るな。“戻る”しか無いか」
唯の脅しだと分かっているが身体を離した。
離れた身体を起こして彼女は窓の外を見ている。
何かあったのか?
「…沖矢さん、私が“1人になりたい”ってメッセージを送ってから、何日経った?」
“起きたら確認する”これはもう彼女の中で普通の事なのだろうな。
「…5日だ。」
「だから、哀ちゃんあんなに怒って…」
手の掛かる姉として接している様に見える彼女の怒りには当然だろと思った。
…俺も苛立っているんだがな
「赤井さんもごめんね。」
「…いや?…」
「?」
彼女に近付き腕を掴んで身体をまた寄せる。
「 許さない 」
耳元で囁いて彼女の柔らかい頬を支えて
唇を合わせる。ゆっくり舌を入れて
彼女に絡ませて耳を手で塞いでやると
口の中の音が響いているようで
彼女の身体は素直に反応していた。
掻き回して糸引くそれが切れたのを見る。
「…今回はコレで済ませますが、余り無茶を続ける様なら…この続きもしますからね?」
「…っ」
「俺はお前を心底気に入っている。失いたく無いんだ。」
「…」
「貴方は独りでは無い。頼れ。」
主人公said
そんな言い方狡い。
「…沖矢さんと赤井さんの言葉使い両方で諭すみたいに優しく叱るなんて狡い。」
赤井said
何を言うのかと思えばそんな事か
どれだけ周りに気にされているのか自覚を持たせるには悪く無いと思ったんだがな
「…貴方は両方の俺が、気になるんですか?」
主人公said
コイツ…っ
両方とも自分だろ結局1人なのに二股みたいな言い方しやがって。
そもそも“気になる”なんて言ってないだろッ。勝手にキスして来て、何回もした挙句心配させたら襲う宣言の心配の範囲はどの程度の事なんだよッ。
まだ“降谷零に匿われていた事をお礼言いに行きたい”とかそういう話もしてないのに過保護過ぎがコイツの通常ならそれも心配に入るんじゃないのかッ?!
くっそなんて言えばっ
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