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D.World.

第8章 “痕跡”








ただ少し、1人になりたいだけなのに


誰にも自分の“甘え”なんて

見せたく無いのに




「…っ」

「!」



わかってる。
携帯を見た時から気付いてた。

携帯に入れられたアプリは表示が出ない物で

追跡が出来るシステムを入れられて居たんだと。

降谷さんの目の前で携帯を地面に叩きつけ、破壊した。

アンクレットからレイピアを取り出す。


ーーもう、何も喋りたく無いーーー


その場を傷付けるように地面を削り

バングルからワイヤーを伸ばして

逃げるようにその場所を離れた。






降谷said


昨日、彼女が倒れるまで

彼女は普通に振る舞っているように見えた。

けど今目の前にいた彼女は別人のようで

それも“本当の姿”の一部を見せて

くれたのなら嬉しくも思える。

普通は信じては貰えないような事も話して

自分が不利になる事も言ったりして。

彼女は俺に“部下に仕事以外も配れ”と言った。


笑顔を見せて。




ベッドで眠る彼女を見て不思議に思った。

脈は無いのに肺は動いているように息をしていて

脈が無いって事は当然…心音も聞こえない。


“命は既に持ち合わせていない”

“私を殺したのは貴方なのに?”


彼女の言葉を思い出す。



“ 私を、そんな安全な場所に
  置いてはくれない。 ”



「…“私を”…?」



彼女はどうして“洞察力”であんなに動ける?


「…“洞察力”…」



観覧車が崩落する中、彼女を見て落ちたのに

彼女は下の方を走っていて

給湯室で見たあの手。

「…“傷”…」

傷が無かったことのようにくっついていた。




「…や……ん!……ふる……!」


なんだ?
今、何か





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