第7章 消費コスト
部屋にベッドを置いた…
そう ベッドを置いただけなのだ
それなのに… 何故か
いつのまにか…私の着ている服が
いつもの普段着から
おとぎ話のお姫様が着て寝て居そうな
フリフリのお姫様ちっくな
プリンセスナイトドレス…姿になっていて
「ちょっと、メリ――??
何で、勝手に服、変わってるのっ」
『ああ、このベッドの
オプションの様な物にありますね。
このベッドの、固定のご衣装に御座います』
でも…可愛らしいラベンダーカラーだけど
ちょっぴり透け透けになっていて
どことなくセクシーな
そんなナイトドレス…なのだが
『とても、お似合いに御座いますよ、姫様』
うんうんとメリーが満足そうに頷いていて
「なっ、何っ、嬉しそうに…見てるのよっ」
『いえ、その様な…
お召し物をお纏いになられておりましたら。
私の姫様は…、まごう事無くに
姫様であられるのだと。メリーは、
感動しておりました…所に御座います』
そう言って自分のポケットから
メリーがハンカチを取り出して
泣いてるのかどうかも怪しい目元を
メリーがハンカチで押さえていて
『では…、早速ではございますが。
姫様…。そちらのベッドの方に
魔法のステッキとご一緒に
横になってお休み、頂けますでしょうか…?』
「横に…なればいいの…?」
メリーに促されて
ベッドの端にいろはが腰を降ろすと
ツルツルとしたシルクの
肌触りのいいシーツが掛かっている
ベッドの中に潜り込んで
ふかふかの枕に
いろはが自分の頭を預けた
メリーが本を手にしながら
ベッドの端に腰を降ろして来て
その手に持っている本のページを
パラパラとめくって行く