第7章 消費コスト
『さぁ。姫様…、
創造を始めるお時間になりましたよ?
今日も張り切って、
姫様の世界を形にして参りましょうね』
顔こそは…笑顔ではあるけれど…
全然…その目は…笑っているけど笑って居なくて
メリーに威圧されて…
恐々とこの黒い地面の部分に
大地と海を創造したんだけども
当然…ごっそりと…魔力を消費してしまって
魔力って…使い過ぎたら…動けなくなる…んだと…
そんな風に思いつつ…
自分が創造した大地…に伏せたままで
いろはがそのまま力尽きていると
『ご覧下さい、姫様』
こっちが地面の上でうつ伏せになって居ると
上からメリーの声が聞こえて来て
いろはが顔をあげると
目の前に…草が生えているのが…見えて…
「土の大地…だったのに、草が生えてるっ!
えっ??なにこれ。凄いっ凄いっ、凄くない?」
草だけじゃなくて…小さな花の姿もある…
ガバッ…っと いろはが身体を起して
周囲を見渡すと
一面の草原がどこまでも続いている
『まだ…姫様がご創造なさった大地は
どこまでも平な平坦な土地にしか過ぎませんが。
この、平坦な平野に、高さの概念を付与すれば。
山脈や、谷間がこの世界に生まれます…
土地に高低差が生まれれば、また…別の進化を
世界が…成長してして行く事になりますので…
その…証拠に…ほら…あちらを…ご覧ください』
あちらをご覧くださいと言われて
いろはがその方向へ自分の視線を向ける