第2章 魔法のステッキとイケメン執事
その日の仕事帰りは…
何だか気分が久しぶりに晴れやかで
誰かと待ち合わせでもして居るかの様な
そんな気分になりながらいろはは
いつも通りに真っすぐに
職場からアパートへ戻った
勿論 私がそんな晴れやかな
ワクワクする様な
そんな気持ちになって居る理由は
大手通販サイトからの荷物がアパートに届くからで
昨日の夜の自分が今日の自分の為に…
してくれたプレゼントの様な
そんな気分をいろはは感じながら
配達員さんが…その荷物を届けに来るのを
夕飯の支度をしながら待っていると
ピンポーンとナイスなタイミングで
インターフォンが鳴って
大手通販会社のにやけ顔が印刷された
段ボールが私の手元に届いたのだが
敢えて…注文履歴は見ないで
今のこの時まで何を注文したのかを
見たいと言う衝動と…
今日は一日戦いながら仕事をして
この時間まで…楽しみに取って置いたのだから
あのにやけ顔の印刷された段ボールを開くと
その中には緩衝材が隙間を埋める様に
入っているのが見えていて
その緩衝材に包まれている
段ボールのサイズからは不釣り合いな箱が見える
その小さめの箱を段ボールから
緩衝材をポイポイと床に広げて
散らかしながらいろはが取り出すと