第6章 チュートリアル2………**
『それは…ご安心下さい、
私がそれを口外したりは致しませんので』
そう言ってニコッと咲川急便の三田森が笑って
いろはもつられる様にしてニコッと
ついつい条件反射で笑ってしまっていた
その咲川急便の配達員の目の前で
テープを剥がして…箱の中身を…空けると
『それでは…、中身の破損がないか…
目視で確認して行きますね…』
隅々まで丁寧に…破損が無いかを
…チェックされてしまって
新品とは言えど…お姫様ステッキを
その目にまじまじと見られてしまって居て
余りの…恥ずかしさに…
こんな事なんて普通は
絶対にあり得ない状況で
これもそれも… 全部
あの羊の執事のメリーが
用意したシナリオなのだとは
幾ら頭では理解こそはしてはいても
この場から逃げ出したいほどに…
いたたまれない気持ちに
なってしまっている…自分が居る
「あ、ああ、あの…ッ、咲川さん。
破損のチェックはもう、大丈夫
…だと思いますので…。このぐらいで…」
『見た目は…問題無さそうでしたので。
続きましては…
動作の方も、確認をご一緒に…』
と…咲川さんにそう言われてしまって
ちゃんと…その…お姫様ステッキが
正常に使用できるかを
一緒に咲川さんと…
確認する…事になったのだが
『じゃあ…、スイッチを入れますので。
緋色様も、私と、ご一緒に…ご確認を…』
とスイッチを入れるので
咲川にステッキを見ていて欲しいと言われて
ウィンウィンっと本体がスイングして
そんな うねうねと
スイングする機能が…これにあったの?と
驚いてしまいつつも…その…ステッキが
厭らしいモーター音をさせながら
グリングリンっとスイングしながら
うねうねと蠢く様にして
うねる動きから目を逸らせないで居た