第17章 世界の中心に魔力を注ぐ
こんな…世界の中心の場所の神殿に
電気があるんだと言う事に
いろはは驚いたのだが
壁に…回転する円盤の様な物が取り付けてあって
メリーが 絵柄を合わせる様にして
それを回転させて行くと ガコッと音がして
その円形のレリーフの中心が
一段浮いて来るのをガチッとメリーが押し込んだ
高い吹き抜けの天井に取り付けられている
シャンデリアに…灯りが灯って
神殿の内部が明るくなって
自分の周囲の状況が目で確認出来るようになる
石造りの神殿の内部には…
中央に巨大な広間…ホールがあって
その周囲を取り囲む様にして巨大な石像が並んでいる
いろはがその石像に気を取られている内に
広間を…真っすぐにメリーが進んで行って居て
このままでは メリーに置いて行かれてしまうと
慌てて 小走りになりながら
メリーに追いつくと
びくびくしながら メリーの身体の陰に
自分の身体を隠す様にしつつ
いろはがギュッとメリーの服を掴んだ
「メリー、歩くの…早いよ…ッ…」
『私が早いのではなく、
姫様がゆっくりなのでありますよ』
「そんなのっ、
足の長さが違うんだからっ
歩幅が違うのは当然でしょっ!!
やっ、待ってメリィイイッ、
置いて行かないでってばっ。
何か、メリー、ここに来てか
ら…冷たくない?私に」
ピタっと…メリーが
その足をその場で止めてしまった