第17章 世界の中心に魔力を注ぐ
ギギギギギギ…ッと…
重々しい音を立てながら
目の前の扉の間に隙間が
出来て行くのが見えて
ギィイイイイイイイ…っと
地面から響く様な音をさせつつ
その…大きな…巨大な石の扉が
…一人手に開いて行くのを
あんぐりと…大きな口を開いたままで
圧倒されてしまいながら…
いろはは見ていたのだが
「メリィイイッ!
見た見た見た?見てる?
開いてるっ、自動で開いてるよ?
自動ドアだよ?凄くない?凄いぃい!」
メリーが…こっちにそれはそれは
冷ややかな視線を向けて来て
『あの…、姫様…
この様な大きな物が見えない程
私の目は節穴では御座いませんし…。
それに…、お言葉には御座いますが…、
扉は開かねば扉とは呼べない…のかと
…思われるのですが…?』
そう…呆れた様な様子で
メリーに言われてしまって
開かない扉は扉とは言わないと
言う意味…なんだろうけどッ
「メリィイイッ、
そんな言い方しなくても良いでしょ?
人が折角、感動してるのにいいいっ」
感受性が豊かな彼女と
クールな彼氏のやり取りの様な
今一つ噛み合わないやり取りをしながらも…
開いたドアから地下神殿の
内部へと足を踏み入れる
「めっ、メリィイイッ、
中凄いっ、暗いんだけど?
電気、電気ないの?灯りさ、
スイッチ、電気のスイッチないの?」
『電気のスイッチ…で御座いますか?
こちらの…壁面のレリーフを回転させまして…』