第15章 執事の建前と嫉妬と焦燥
「メリーッ!それっ…、多分だけど
さっき、ミナトさんがしてくれたの…」
そういろはがメリーに話すと
メリーはその端正な顔を歪めて
信じられないと言いたげな表情をしていた
『姫様が…お話になられておられました、
例の淫魔のセラピストの
ミナト様で…御座いますか?
しかし…こちらは…、
術の中でも中等程度の物ですし
この…術の術者も…かなりの
強い魔力の持ち主の様にありますが?
淫魔は…魔族とは言え…、
下級の魔族に御座いますし。
到底こちらの術は、下級の魔族が、
扱えるような代物の術…ではありませんが?
それにしても、非常に……姫様の魔力との
…高い親和性がある…質の魔力…にありますね』
そう言いながら…メリーが指先で
叶人の残した…痕をまたなぞって来て
ビクッと小さく身体が
無意識に跳ねてしまう
『術として、単体で見ても、
かなり優秀な部類ではありますが。
普通の…魔力…による、術に…プラスして。
術者の…何かしらの…体液や身体の一部を
魔力を伝える媒体として、
使用する事によって、
術としての精度を…底上げして、
高めてあるように見受けられます。
しかし、…これでは…、
まだ下の呪いを隠すには不十分…にありますが』
「魔力を…伝えるための…媒体って???」
メリーが… 今度は
叶人が付けた痕の事ではなくて
その痕の上に重ねる様に施されている
ミナトの術についてそう…言って来て