第15章 執事の建前と嫉妬と焦燥
もう…虫刺されを引っ掻き過ぎて
化膿しちゃって痕が消えないんですぅ~とかって
そんな言い訳を…用意する必要もないけど
ついつい 使う場面も無いだろうのに
言い訳を考えてしまって居たのだが
「メリー、だったら…あの人に…、
これを消してくれって頼めばいいって事?」
いいえと…メリーが静かに首をまた左右に振った
『その…姫様に…呪いを残した本人に、
呪いを解くように依頼するのは危険でしょう。
まず、相手が何を目的として、姫様の
お身体にこの様な呪い紛いの形の
印を残した理由と言いますか、
目的がが不明にありますし。
姫様はその御様子では、
その呪いを知らずの内に施されたようですし。
下手に…その術者に…
それを頼めば、その要求を飲む代わりに
その代価として、何を…要求されるか…
分かりませんからね…危険で御座います。
それに…、これは…ただの印でもなく、
その上…ただの呪いでもない…。
この…呪いの印の上に…
別の術が施されてある様にありますが…』
印の上に別の術が施されていると
そうメリーが言って来て
そのメリーの言葉に…いろはがハッとする
自分のこの印の上に…別の術を施した人物には
いろはも心当たりがあったからだ
自分が…会いたいと思ってた
淫魔のセラピストの
ミナトさんその人なのだから