第15章 執事の建前と嫉妬と焦燥
メリーのその突然の行動に
こっちも反発する様にして
自分のメイド服の胸元を
いろはが押さえて
メリーがそう出来ないようにして抵抗する
『姫様。何をなさるのでありますか?
今しばらくの間、
おふざけはご遠慮頂いて。
お静かに…なさって…、
抵抗をなさるのはよして頂けませんか?』
こっちは…至って真面目だったし
ふざけた憶えもないし
元はと言えばメリーがこっちの服を
肌蹴させる様な事をしておっぱいを
丸出しにさせようとして来てるのが悪いのに
そのメリーのこっちが悪いとでも言う
言い放つかの様な言い方にびくっとしてしまって
これは素直にメリーの言う事を聞かないと
ダメって空気が凄かったので
そのまま…声を出さない様に
いろはが自分の口を押えて
メリーが何に怒って居て
何をしようとしてるかも分からないから
びくびくしながらも…メリーのする事の
邪魔にならない様に…
メイド服を押さえていた手の
力を緩めると微動だにせずに我慢する
メリーの指先が…つつつ…と
いろはの乳房の上にある
叶人の残したあの痕の上を指でなぞって行く
『やはり…、私の見立ての通り。
こちらは普通の…痕では…御座いませんね…。
それも…白の世界の…非干渉のエリアで
残された物でありながら、
こちらの世界にまで魔力によって、
干渉してる…物の様に見受けられます』