第5章 次の日…の朝
どこからかまた
空を創ると言う実績を解除したと
アナウンスの様な放送が聞こえて来たので
私の創ったこの”空”はちゃんと
空として認識された様で安心して
いろははほっと胸を撫で下ろした
『それでは早速、
…姫様がお創りになられました
この青空に、こちらの太陽のオブジェクトを
姫様の手で…設置して頂けますでしょうか?』
メリーがいろはにそう言いながら
その手のガラスのケースを開いて
いろはの方側になるように
メリーがケースの向きを調整すると
いろはの方から
太陽を取り出しやすいようにして
こちらに向かって
恭しく太陽を差し出して来るので
いろはがケースの中にある
太陽のオブジェクトに手を伸ばして
どう持てばいいのか分からずにケースの中で
浮いた様になっている太陽をそっと下から
手の平ですくい取る様にして取り出した
「浮いてる…」
『小さくありましても、こちらは
太陽にございますので、当然にございます…』
自分の手の上に太陽があるが
手の平の上に乗せていても
不思議と重さ…と言う物が無くて
自分の手から5センチほど浮いた場所にある
『では…、姫様…。
そのまま両手を、天に向かって
掲げて頂けますでしょうか?』